クラウドワークスでの発注は、応募者の「選び方」と「付き合い方」で成否が決まります。
- 応募文・クライアント理解・事前やり取りの3点で応募者を見極める
- 信頼できるディレクターを見つけて外注を仕組み化する
- 条件変更・規約違反・低単価など「やってはいけないこと」を守れば、トラブルはほぼゼロになる
この記事では、ディレクターとしてクラウドワークスで数多くの発注を行ってきた筆者が、トラブルゼロを実現してきた応募者の選定方法と、やってはいけないNG行動を実例つきで解説します。
「クラウドワークスで外注してみたいけど、変な人に当たったらどうしよう」
「前に頼んだワーカーと揉めてしまい、外注に苦手意識がある」
ひとり社長や起業家にとって、業務の外注は時間を生み出す最も効果的な手段の1つです。しかし、ワーカーの選び方を間違えると、かえって手間が増えてしまうのも事実です。
実は、クラウドワークスでのトラブルの多くは「応募者の選定」と「発注者側のマナー」で防げます。筆者はこれまで会社やクライアントのマネジメントディレクターとして多数の発注を行ってきましたが、この記事で紹介する方法を実践しているのでトラブルはほぼありません。
この記事では、応募者を見極めるチェックポイントから、外注を仕組み化するディレクター活用術、そして発注者が絶対にやってはいけないNG行動まで、具体例を交えてお伝えします。
応募者を見極める3つのチェックポイント
クラウドワークスで募集をかけると、多いときは数十件の応募が届きます。
この中から「一緒に仕事がしやすい人」を見極めるために、必ずチェックしているのが次の3つです。
チェック①:募集文の質問に答えているか
最も重要で、最も簡単に見極められるポイントです。
募集文の中に、あらかじめ簡単な質問を入れておきます。たとえば「これまでの実績を1つ教えてください」「週に何時間稼働できますか」といったシンプルなものでもOKです。
この質問に答えていない応募者は、その時点で選考対象外にします。
なぜなら、募集文を最後まで読んでいない、あるいはテンプレートをコピペして一斉送信している可能性が高いからです。
こういった方は、契約後の指示も読み飛ばす傾向があり、やり取りのコストが格段に上がります。
以下のような質問を募集文の最後に入れておくだけで、応募者の質が一気に見えるようになります。
・「応募の際、これまでに担当された類似業務を1つ教えてください」
・「週に何時間程度の稼働が可能ですか?」
・「使えるツールを教えてください」
体感では、この質問に正しく答えられる応募者は全体の6割程度。裏を返せば、ここをクリアするだけで上位6割の応募者を選べているということになります。
チェック②:クライアント情報を見て応募しているか
次に確認するのは、応募者がこちらの企業情報や募集の背景を理解したうえで応募しているかどうかです。
クラウドワークスでは、発注者のプロフィールに企業情報や過去の発注実績が表示されます。
応募者がこれを確認していれば、応募文の中に「御社の〇〇事業に関心があり」「講座運営のサポートに経験があります」といった、こちらの事業に寄り添った一文が入っているはずです。
逆に、どの案件にも使い回せるような一般的な応募文しか書いていない場合は、仕事内容を深く理解しないまま応募している可能性があります。
良い例:
「講座運営のサポート業務に応募いたします。前職で教育系サービスの運営補助を行っていたため、受講者対応やスケジュール管理はお力になれると考えています。」
要注意な例:
「はじめまして。丁寧な仕事を心がけています。何でもお任せください。よろしくお願いします。」
良い例は、こちらの事業内容を把握した上で自分の経験と結びつけています。要注意な例は誰にでも送れるテンプレートで、こちらの情報を見ていない可能性が高いです。
チェック③:契約前にテキストでやり取りしてみる
応募文だけでは見えない「仕事のしやすさ」を確認するために、契約前に最低でも一度はテキストでやり取りすることを強くおすすめします。
内容は簡単なことで構いません。「〇〇の作業は経験がありますか?」「納品はGoogleドライブで問題ないですか?」程度の確認で十分です。
このやり取りで見ているのは、以下の3点です。
- 文章の丁寧さ:ビジネスとして最低限の礼儀があるか
- 質問への回答の的確さ:聞いたことに対して的確に答えているか
- 返信の速さ:こちらの連絡に、間を空けずに返事が来るか
返事がない人は、この時点で採用しないと決めてください。契約前に返事がない人が、契約後にスムーズに連絡を取れるようになることはまずありません。
ひとり社長の外注を楽にする「ディレクター活用術」
応募者の選定ができるようになったら、次のステップとして「ディレクター」を見つけることを強くおすすめします。ディレクターとは、ワーカーへの指示出しや進行管理を代わりに行ってくれる人のことです。
ひとり社長にとって、外注先が増えるほど管理コストも増えます。この管理をディレクターに任せることで、本来の仕事(会社の運営、集客、コンテンツ作成)に集中できるようになります。
改善提案してくれる人をディレクターにする
どうやってディレクターにお願いするのか。
答えはシンプルで、仕事を依頼する中で「こうした方がいいと思います」と自発的に改善提案してくれる人です。
なぜなら、改善提案ができるということは、こちらの事業や目的を理解し、「言われたことだけやる」のではなく、成果のために考えてくれている証拠だからです。
こういう人はワーカーとしても優秀ですが、ディレクターとして任せたときに真価を発揮します。指示待ちではなく、自分で判断して動いてくれるので、あなたの管理負担が激減します。
ディレクターに任せられること
特に、複数のワーカーに仕事を依頼している場合は、以下の業務をディレクターにまとめて任せてしまうのが楽です。
- ワーカーの募集・採用・選定
- クラウドワークス上の契約手続き・仮払い管理
- ワーカーへの作業指示・納品チェック
- スケジュール管理・進捗確認
- ワーカーからの質問対応
あなたがやるのは「ディレクターとの週1回の打ち合わせ」だけ。ワーカー1人ひとりとやり取りする必要がなくなるので、外注にかかる時間を大幅に削減できます。
会社アカウントを作ってディレクターに運用を任せる
ディレクターとの信頼関係が築けたら、クラウドワークスの会社アカウントを1つ作り、そのアカウントの運用自体をディレクターに任せるのも有効な方法です。
通常の会員登録時に「法人」を選択し、プロフィール設定で会社情報を入力することで、企業としての利用が可能です
募集の掲載からワーカーの選定、契約、仮払いまでをディレクターが一括で管理してくれるので、あなたは「何を外注するか」の意思決定だけに集中できます。
ここまで仕組み化できれば、ひとり社長でもチームのような体制で事業を回すことが可能になります。
クラウドワークスでやってはいけない5つのこと
ここからは、発注者側が絶対にやってはいけないNG行動をお伝えします。
どれも「そんなこと当たり前だろう」と思うかもしれませんが、実際に起きている事例ばかりです。
NG①:最初に提示した条件を破る
最初に伝えられた条件が履行されない。これが最もワーカーの信頼を失う行為です。
実際にあった例をお伝えします。
①「月10,000円で契約し、2ヶ月目から20,000円に上げます」と伝えて契約したにもかかわらず、2ヶ月目になっても報酬を上げなかったケース。
社会人として、約束を破るような行為は金額の大小にかかわらず、信頼を損ねるのでやめるべきです。
②「2ヶ月目から20,000円に上げます!」と言っておきながら【税込み・システム手数料込みで20,000円という意味】でワーカーにはほとんどメリットがなく、発注者側が得する条件にすり替えたケース。
ワーカーにしっかりと仕事をしてほしいという気持ちがあるのであれば、気持ちよく仕事をしてもらえるように振る舞うのが吉です。
③「直接契約にすれば手数料がかからないので、こちらが支払っている手数料込みの金額をそのままお支払いできます。手取りが10,000円から15,000円に増えますよ。だから2ヶ月目から直接契約にしましょう」と規約違反をワーカーに持ちかけるパターン。
一見ワーカーの手取りを増やすための良い提案のように聞こえますが、直接契約は規約違反です。自分のサービスで規約違反をされたらどう思うでしょうか?規約を守れない人はその後の様々なルールを守れず、抜け穴を見つけるような人だと思われてしまいます。
また、③パターンでは手取りは増えるものの、「自分の払う金額はあげたくない」というようにも受け取ることができてしまいます。
クラウドワークスでは手数料がすべて公開されており、相手がいくら払っているかも確認できます。変な交渉をする=この人は信用できないと判断され、真面目で誠実でちゃんとした人ほど黙って辞めていきます。
条件を変更するくらいなら、正直に「予算が合わなくなったので契約を終了したい」と伝える方が、評価も関係性も悪くなりません。
NG②:規約を守らない(特に仮払いルール)
クラウドワークスでは、仮払いが完了してからワーカーが仕事を開始するのが基本ルールです。
しかし、実際にはこんなケースがあります。
1ヶ月単位で契約しているにもかかわらず、月末(または契約更新日の前日)までに仮払いをしない。ワーカーは仮払いがなければ翌月1日から仕事に着手できないのに、「仕事は止めないでほしい」と要求する。
これはワーカーにとって「報酬が保証されないまま働かされる」のと同じです。当然、信頼は一気に崩れます。
また、「仕事を止めないで」と直接要求することはなくても、オンライン秘書などのような毎月ワーカーに支払いをしていくような契約の場合には契約開始日までに仮払いを完了しておく必要があります。
NG③:報酬額が低すぎる
報酬の設定が低すぎると、実績のある優秀なワーカーは応募してきません。
クラウドワークスではワーカー側にシステム手数料(報酬額の5〜20%)がかかります。発注者が設定した報酬からこの手数料を差し引いた金額がワーカーの手取りです。
ワーカー受け取り金額=(契約金額+消費税)-(システム利用料+消費税)
この手取りが市場相場を大きく下回っていると、経験豊富なワーカーは「事故りそう」と判断して応募すらしません。
| 業務内容 | 発注相場(税込) | ワーカー手取り目安 |
| 記事ライティング | 文字単価1.0〜3.0円 | 文字単価0.8〜2.4円 |
| SNS画像作成 | 1枚1,000〜3,000円 | 1枚800〜2,400円 |
| 事務・データ入力 | 時給1,000〜1,500円 | 時給800〜1,200円 |
| 動画編集(YouTube) | 1本5,000〜30,000円 | 1本4,000〜24,000円 |
| ディレクション | 月30,000〜80,000円 | 月24,000〜64,000円 |
実績のあるワーカーはクラウドワークス歴も長く、さまざまなクライアントとやり取りをしています。
募集文と報酬額、クライアントの発注回数を見て「この案件は事故りそうだ」と判断すれば、応募すらしません。
経験豊富なワーカーが応募を避ける案件には共通点があります。
- クラウドワークスのルール(仮払い後の着手、直接契約NG、マイルストーン払い等)を知らなそうなクライアント
- 低単価で募集しており、今後も単価が上がる見込みがなさそう
- 発注実績が少なく、評価コメントもない
- 募集文が曖昧で、作業範囲が際限なく広がりそう
重要な仕事ほど市場の相場を確認し、ワーカーの手取りが相場と同じくらいの金額になるように設定しましょう。
NG④:クラウドワーカーだからと軽く扱う
クラウドワーカーは「安く使える労働力」ではありません。あなたの事業を支えてくれるチームメンバーです。
軽い扱いをすると、評価を下げられたり、クラウドワークスに通報されるリスクがあります。悪い評価がつくと、今後の募集で優秀なワーカーが応募してこなくなるという悪循環に陥ります。
ワーカーに仕事を依頼する=社員を増やすという気持ちで対応する。この意識があるだけで、自然と丁寧なやり取りになり、良い関係が築けます。
NG⑤:契約終了の伝え方を間違える
どんなに良いワーカーでも、事業の方向転換や予算の都合で契約を終了する場面は出てきます。このとき、伝え方を間違えると関係が壊れ、評価にも影響します。
契約終了を伝えるときのポイントは次の3つです。
- まずワーカーの仕事ぶりを具体的に褒める
- 当初予定していた形での運営が難しくなったことを正直に伝える
- 「また何かあればお声がけしたい」と伝える
「〇〇さん、いつも丁寧な対応をありがとうございます。〇〇の業務では、特に△△の部分で大変助かりました。
大変心苦しいのですが、当初予定していた形での運営が難しくなり、今月末をもって一度契約を終了させていただきたく存じます。
〇〇さんの仕事ぶりには大変感謝しております。今後また別の形でお力をお借りすることがあれば、ぜひお声がけさせてください。」
褒められて悪い気はしませんし、再依頼の可能性を伝えることで円満に終えられます。仮に二度と依頼しなかったとしても、評価を下げられるリスクを大幅に減らせます。
クラウドワークスでの発注に関するよくある質問
- はじめての発注でも、優秀なワーカーに応募してもらえますか?
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発注実績が少ないうちは、優秀なワーカーが応募を避ける傾向があるのは事実です。まずは相場どおりの報酬を設定し、募集文を丁寧に書くことで信頼感を高めてください。プロフィールに事業内容や外注の目的を具体的に記載するだけでも、応募の質は変わります。
- ワーカーの質が低いと感じたとき、どうすればいいですか?
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まずは募集文と報酬設定を見直してください。募集文が曖昧だったり、報酬が相場より低いと、経験の浅いワーカーしか集まりません。それでも改善しない場合は、良いワーカーを見つけたときにスカウト機能で直接声をかけるのも有効です。
- ディレクターにはどのくらいの報酬を払えばいいですか?
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業務量にもよりますが、月30,000〜80,000円(ワーカー手取りベース)が目安です。ディレクターはワーカーの管理を一手に引き受けてくれるので、あなたが外注管理に費やしていた時間を考えれば、十分に見合う投資です。
- クラウドワークスとランサーズ、どちらを使うべきですか?
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ひとり社長や起業家の外注にはクラウドワークスがおすすめです。登録ワーカー数が多いため、幅広い業務で応募者が集まりやすいのが最大の利点です。まずはクラウドワークスで試してみて、特定の専門スキルが必要な場合にランサーズを併用するのが効率的です。
まとめ|クラウドワークスの発注は「選び方」と「付き合い方」で決まる
この記事のポイントをまとめます。
- 応募者は「募集文の質問への回答」「クライアント情報の理解」「事前のやり取り」の3点で見極める
- 改善提案をしてくれるワーカーをディレクターに抜擢し、外注を仕組み化する
- 最初の条件を破る・規約を守らない・報酬が低すぎる・ワーカーを軽視する・契約終了の伝え方を間違える、の5つは絶対にやらない
- ワーカーへの対応=会社の人事と同じ。信頼を築けば、ひとり社長でもチーム体制が作れる
クラウドワークスでのトラブルは、そのほとんどが「選び方の甘さ」か「発注者側のマナー違反」から生まれます。逆に言えば、この記事で紹介したポイントを押さえれば、外注はひとり社長の最強の武器になります。
まずは1つの業務を外注してみるところから始めてみてください。あなたの時間と頭を、本当にやるべきことに使えるようになります。


