工務店のWEB広告|問い合わせが来ないのはなぜ? 1年半0件→見直しから8ヶ月で5件獲得した事例

1年半WEB広告を出し続けていたのに、問い合わせが0件だった理由は、費用の多くが、取りたい仕事とは関係のない検索に使われていたからでした。

私がこの工務店のWEB広告の整理役として関わり、広告を出すための情報と広告の中身を整理したところ、4ヶ月後に1件目の問い合わせが来て、8ヶ月で5件の問い合わせを獲得できました。その事例をご紹介します。

この記事の結論
  • WEB広告のレポートの「成果」は、お客様からの問い合わせの数と同じとは限らない
  • まず来てほしいお客様を言葉にし、そのうえで実際に検索された言葉を確認する
  • 広告費が少ないうちは、はっきり思い描けるお客様に絞り、少しずつ広げる
  • この工務店では、整理を始めて4ヶ月で1件目、8ヶ月で5件の問い合わせが来た
CONTENTS

どんな工務店で、WEB広告はどうなっていた?

この工務店は創業65年で、戸建ての耐震リフォームを得意としています。

私が関わる前の1年半、この工務店ではWEB広告を出し続けていました。広告費は合わせて152万円で、月にならすと8万円ほどです。

最初にお会いしたとき、社長は「まずWEB広告で1件取る。続けて取れるようになったら、広告費を上げる。だから今は、少額で様子を見ている」とお話しくださいました。

私も、少額で試してから増やすという順番は理にかなっていると思いました。
建築業界は1件あたりの売上の金額が高く、こちらの工務店でも2,000万円ほど売り上げになるので、経費を差し引いても、広告費に見合う利益が残るからです。

もちろん、この工務店もこの1年半、何もしていなかったわけではありません。広告代理店を一度変え、コンサルティング会社に頼んでホームページの見直しもしていました。

それでも、この1年半、WEB広告から来た問い合わせは0件でした。市から配られる業者一覧でこの工務店を知って、電話をくれる人や、以前家を建てたり、リフォームしたりしたお客様からの紹介はあるのに、WEB広告を見て連絡してくる人だけがいない状況でした。

広告レポートでは成果が出ているのに、問い合わせが来ないのはなぜ?

WEB広告のレポートに出る「成果」(レポートでは「コンバージョン」と表示されます)は、必ずしも、お客様からの問い合わせの数と同じではありません。
そのため、レポート上では成果がたくさん出ていても、実際には問い合わせが来ていないということが起きます。

この工務店では、成果として数える行動を、次の3つに決めていました。

  • 電話番号をタップする
  • 資料を請求する
  • 問い合わせフォームを送る

この1年半の間の広告レポートには成果が76件と出ていました。
ところが、76件はすべて電話番号のタップでした。かかってきたのは営業の電話ばかりで、お客様からの問い合わせはありませんでした。

おそらく、社名を検索し、広告から営業の電話をかけてきたのだと思います。ただ、広告レポートでは、営業の電話もお客様からの電話も、同じ「タップ1回」として数えられてしまいます。結果として、広告レポートでは成果が出ているように見えますが、お客様からの問い合わせは、0件でした。

広告代理店に任せているのに、WEB広告が見直されないのはなぜ?

広告費の少ない広告は、見直しにかける時間が少なくなりやすい傾向があります。(全ての広告代理店がそうではありません。)
広告代理店の料金は様々ですが、最近では定額1万円〜といった手数料が格安の代理店も増えました。
安くて始めやすいのはとてもいいのですが、裏を返せば「出稿している広告に対して月に1万円分しか作業しないよ」ということになります。

広告はいろんな角度から仮説を立てて分析する必要があり、同じ業界の数字であっても、単純比較ができないことも多いです。
例えば1、2時間では分析しきれないこともあります。

手数料の安いところほど、レポートを送って終わりになることも多く、お客様と月1回の打ち合わせも実施されないということもあります。

また、広告代理店ではたくさんのお客様の広告を担当することもあり、大手だと1人で30社以上を担当することもあります。
低額になればなるほど利益を出すのが難しく、たくさんの会社の広告を担当せざるをえなくなります。
その結果1社あたりに割ける時間が減ってしまうということもあります。

これは、代理店の誰かが悪いという話ではなく、たくさんの会社の広告を同時に担当し、手数料で利益を出すという代理店の構造上、仕方のないことです。

広告代理店との打ち合わせってそんなに重要?

広告代理店の窓口担当者との打ち合わせより、実際に広告を調整している広告運用者との打ち合わせがとても大事だと感じています。
私は以前、広告代理店から仕事を請け負う外部委託の広告運用者として、WEB広告の運用を担当していました。その中で、代理店とのやり取りが少ない会社ほど、広告費が無駄になっていくのを何度も見てきました。(あくまで私がそのとき見て、体験した話です。全ての広告代理店がそうではありません。)

広告運用者とは広告の設定を細かく調整する人です

広告代理店の中でも分業していることもあり、広告の方針を考える人(プランナー)と運用者を分けているという場合や、運用を外部のスタッフ(フリーランスなど)に依頼している場合もあります。

実際に広告を調整している広告運用者は、広告の動きをよく理解しています。
広告運用者がその会社、その業界について詳しくなればなるほど、広告費の無駄が減ります。
しかし、実際の運用者や外部スタッフが打ち合わせに出ないという方針の会社もあります。

例えば、工務店なら「マンションのリフォームはうちの得意ではない」「この住宅メーカーは新築専門だからその名前で検索する人は、うちのお客様になりにくい」といったことは、社長や社員の方に聞けばすぐに分かります。
しかし、広告運用者が細かな事情を知らないと「マンションリフォーム」で検索する人や「新築専門の住宅メーカーの名前」で探している人にも広告が出てしまい、結果的に無駄になることがあります。
また分析をする際も、次の打ち手を考える上でもその会社、その業界では当たり前の見方が抜けてしまうこともあります。

小さなズレの積み重ねが大きなズレとなってしまい、お客様になりにくい人にも広告が出続けてしまうことがあります。

広告運用者と密に連絡を取る機会が多くなれば、その会社のその業界の事情や情報をしっかり伝えられるようになり、広告の状態に反映させてより良い広告になっていきます。

WEB広告の効果がないとき、最初に何を確認すればいい?

まず、どんなお客様に来てほしいかを言葉にします。
そのうえで、実際にどんな言葉で検索されて広告が出ているかを確認します。
来てほしいお客様がはっきりしていれば、はっきりしているほどどこに無駄があるのか見分けることができるようになります。

この工務店の整理を始めて1ヶ月目と2ヶ月目、私は広告の数字を見る前に、社長と社員の方に話を聞きました。
どんなお客様に来てほしいかを、いろんな角度から確認し、社長、社員、私の全員が同じ人物像を思い浮かべることができるようになるまで具体的な言葉にしていきました。

そのうえで3ヶ月目に、広告が表示されたときに実際に検索されていた言葉(検索語句)の記録を確認しました。広告を出すために登録しておく言葉(キーワード)とは別のものです。

記録を見てすぐに、登録しているキーワードが広すぎると感じました。実際に検索された言葉も、この工務店への問い合わせにはつながりそうにないものばかりでした。

広告代理店も運用者も、決して適当にキーワードを設定していたわけではありません。
何も知らなければ私も同じようなキーワードを設定していたと思います。

過去のお客様の傾向、これまでのお客様が口にしていた悩み、1年半の広告実績など様々な角度から情報を整理しました。

WEB広告のキーワードは、何を基準に絞ればいい?

キーワードの絞り方は、広告の担当者によってまったく違いますが、私は広告予算の少ない会社を担当することが多かったので、予算が少ないうちは、はっきり思い描けるお客様に絞ります。
「この人なら、この言葉で検索しそうだよね」という言葉だけにまず絞り、そこから少しずつ広げていきます。

この工務店がWEB広告に使える費用は、月10万円ほどでした。話し合いの中では、「もっと若い世代にも来てもらえるといいよね」という声も出ていました。
しかし、まずは、これまでに工事の実績があり、一番問い合わせの多い人たちが検索しそうなキーワードだけに絞りました。

整理を始めて3ヶ月目に、社長も参加した打ち合わせで方針を決め、代理店へ次の3つを頼みました。

  • 来てほしいお客様に絞りきれない、意味の広いキーワードを止める
  • 新築専門の住宅会社の名前で広告が出ないようにする
  • 来てほしいお客様が検索しそうな言葉を、その言葉どおりに検索されたときだけ出る形で足す

キーワードを絞って広告の表示回数が減っても、大丈夫?

減ったのが、もともと問い合わせにつながりにくい検索への表示であれば、数値が減っても大丈夫です。
まずはしっかり「どんなお客様に来てほしいか」を言葉にして絞り込み、問い合わせが来るようになってから、少しずつ広げていけば問題ありません。

この工務店では、狙うお客様やキーワードを絞り直し、広告代理店に調整してもらったあと、1日あたりの広告の表示回数が153回から46回まで減りました。3分の1以下です。

広告の間口を狭くすると聞くと、「えっ、たくさんお客様を取りたいのに」と思われる方が多いと思います。

ただ、広告費が限られているうちは、広く多くの人に届けようとするより、狭く絞って届けたほうが、問い合わせにつながりやすくなります。

この工務店の方にも、実際に検索された言葉の記録を一緒に見ていただきました。
広告について分からなくても「これはうちとは関係ないよね」と思わず声に出してしまうほど、広く出すぎていたことを分かっていただけたので、表示が減っても慌てることはありませんでした。

WEB広告を見直してから、問い合わせが来るまでどれくらいかかる?

この工務店では、整理を始めてから最初の問い合わせが来るまで、4ヶ月かかりました。その4ヶ月は、目に見える成果がなく地味な整理が続きました。

最初の問い合わせが来るまでの4ヶ月に私がしてきたのは、
社長や社員の方に話を聞く、来てほしいお客様を言葉にする、検索された言葉とキーワードを見直す、といった作業です。
この間、WEB広告からの問い合わせは1件もなく、工務店のみなさんも、すごく不安だったと思います。

キーワードを絞り直した翌月には、新しく、無料の耐震診断の広告を出すことになりました。

耐震診断の広告を出して10日ほどたったころ、工務店に「無料の耐震診断を受けたい」という電話が入りました。それまでの1年半、WEB広告からは1件も来なかった問い合わせです。連絡をもらったときは、とても嬉しかったです。
私もコツコツ続けてきてよかった!と思いました。

見直しから8ヶ月で、どんな問い合わせが来た?

整理を始めて8ヶ月で、WEB広告からの相談が5件来ました。
大きな地震があり、耐震について調べる人が増えた影響もありますが、問い合わせがあったのは、耐震について調べる人に広告が届く状態になっていたからだと確信しています。

私と一緒に広告の整理を始める前の1年半の間にも、大きな地震は何度かありました。
そのときは、WEB広告から耐震の相談が来ることはありませんでした。

相談を寄せてくださった5人の顔ぶれにも驚きました。
広告で狙っていたのは60〜70代の女性でしたが、なんと30代の男性から相談が来ました。
工務店の担当の方からも「情報を整理して、届けたい人に届く広告にしたおかげで、今まで来たことのない年代のお客様からも問い合わせが来た」と言っていただきました。

8ヶ月かけた地味な整理は、無駄にならなかったと感じました。

広告代理店に任せているWEB広告、社長はまず何をすればいい?

まず、広告代理店に任せている場合は、実際に広告を担当している人との打ち合わせを増やしていただくのがいいと思います。それでも判断がつかないときは、代理店でも個人の運用者でもない第三者に、広告を整理してもらうという選択肢もあります。

今回の工務店の事例でも、実際に検索された言葉を社長と一緒に見たことで
「マンションのリフォームはうちの得意ではない」
「この住宅メーカーの名前で探す人は、うちのお客様にならない」
といった一言一言が、そのまま広告の見直しにつながりました。

レポートの数字や言葉で分からないところがあれば、実際に広告を動かしている担当者に納得がいくまで聞いてみるとよいと思います。

広告代理店に任せること自体が悪いわけではありません。
個人で広告を運用していると、それはそれで視野が狭くなることもあります。広告代理店には、たくさんの会社の広告からいろいろな情報が入ってくるので、その情報を広告の改善に生かしてくれます。

ただ、広告の担当者の中には、広告を動かすのは得意でも、お客様に寄り添うのは苦手という人もいます。打ち合わせの回数と同じくらい、自分と合う相手かどうかも、大事にしていただきたいと思います。

広告代理店や広告運用者と密に連絡が取れていても、その会社の「来てほしいお客様」と「実際に広告が届いている人」がズレてしまっていることがあります。
広告だけを見ていても、分からないことがあるからです。
この工務店でも、広告を出すための情報と広告の中身を、第三者の目で一緒に整理してみて、初めて見えてきたことがいくつもありました。

私が広告整理パートナーとして行っているのは、情報の整理です。社長と同じ目線に立ち、広告を続けるか、変えるか、止めるかを社長が判断しやすいように、材料を整えます。

工務店のWEB広告に関するよくある質問

WEB広告のレポートの「コンバージョン」と、実際の問い合わせは同じ?

必ずしも同じではありません。WEB広告のレポートでは、電話番号のタップやページの閲覧など、いろいろな行動が成果として数えられます。何を問い合わせとするかは会社ごとに違うので、レポートの数字と、会社が受けた問い合わせの数が同じとは限りません。

広告代理店を変えれば、WEB広告の成果は上がる?

代理店を変えるだけでは、成果が上がるとは限りません。この工務店は、私が関わる前に代理店を一度変えていましたが、WEB広告からの問い合わせは0件のままでした。問い合わせが来るようになったのは、広告を出すための情報と広告の中身を整理してからです。

電話番号のタップを、成果として数えるのはやめたほうがいい?

業界と、広告の中身によります。業界によっては電話でさっと予約したい人もいるので、電話番号のタップも成果として数える意味があります。一方で、この工務店のように、電話番号のタップのほとんどが営業電話だったなら、成果として数えるのはやめたほうがいいと思います。電話で相談や問い合わせをもらうことがまずない業界も、同じです。

WEB広告のレポートの数字と、実際に来る問い合わせが合わない。広告を続けるか、変えるか、止めるか決めきれない。そんなときは、広告整理パートナーに一度ご相談ください。

WRITERこの記事を書いた人

梅村なみの似顔絵イラスト

梅村なみ

ひとり社長の整理パートナー

社長のとなりで13年マーケティング7年経営者・事業主21名の伴走

小さな会社やひとり経営者の「やりたいこと」を、動ける形に整理・設計しています。

くわしいプロフィール
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